
プロフィール
博士(農学) 専門は環境放射生態学。陸域環境における放射性核種の存在形態を駆使した挙動に関する研究に従事。研究テーマ
・土壌から作物への放射性核種の移行の解明・ため池における放射性セシウムの動態解明
・福島県産作物中放射性セシウム及び90Sr濃度測定と被曝線量評価
分 野
環境放射生態学、微量元素分析、保健物理学キーワード
放射性核種、放射性セシウム、90Sr、存在形態、土壌、農作物、農業用水、ため池底質研究概要
環境中に放出された放射性核種は様々な経路を経て移行し、放射性核種の存在形態によって影響を受けます。そのため、放射性核種の挙動を捉えるには移動する量と同時に、存在形態を把握する必要があります。私はこれまで、主に陸圏環境における放射性核種の動態について環境放射生態学研究を進めてきました。現在取り組んでいる研究では、陸域環境における放射性核種(主に放射性セシウムと90Sr)の存在形態を明らかにし、土壌-作物間、陸水環境等の動態解明とその変動要因について解析を進めています。ひとこと
環境放射生態学は、分析化学、地球化学的、環境化学、生物学など多くの様々な研究分野が融合した総合的な学問分野です。これまでに培ってきた知見を活用し、東電福島第一原発事故後に次のような活動を行ってきました。日本土壌肥料学会のホームページで、事故直後の2011年3月から7月まで7回にわたり、数名の研究者と協力し、「原発事故関連情報」を掲載しました。当時、放射性核種の動態について混乱した情報が飛び交い対応への苦慮が見られたが、多方面において学術的に正しい知見に基づく情報として活用された。掲載された内容は、日本土壌肥料学術誌82 (2011) 408-418に掲載しました。一般向け解説として、土壌での放射性セシウムの動態、土壌-植物系における放射性セシウムの移行について情報発信を行ってきました。
平成24年度から平成25年度は福島大学うつくしまふくしま未来支援センター、平成26年度以降は福島大学環境放射能研究所に所属し、これまでの知見を活用しながら福島県を対象フィールドとして調査研究を進めています。私は、福島第一原発事故を真正面から捉え環境中における放射性核種の動態を明らかにすることを目標に掲げ、福島で息づく一人として、この地に腰を据え、自ら福島の将来と密接に関わりながら、科学的で普遍性のある正しいデータを福島から発信したいと考えています。
好きなもの・趣味
街中ウォーキング学 歴
1983年 | 北海道大学水産学部卒業 |
1984年 | 国立公衆衛生院修業 |
2001年 | 東北大学大学院農学研究科修了 博士(農学) |
職 歴
1984年-1986年 | (財)日本分析センター |
1987年-1989年 | 動力炉・核燃料開発事業団 |
1990年-1991年 | (財)日本分析センター |
1992年-2013年 | (財)環境科学技術研究所 |
2012年-2013年 | 福島大学 うつくしまふくしま未来支援センター 兼務 |
2014年-現在 | 福島大学 環境放射能研究所 |
2018年-2019年 | 福島大学 環境放射能研究所 所長 |
2019年-現在 | 福島県環境創造センター 環境動態部門長 兼務 |
受賞歴
2013年 | 第58回日本土壌肥料学会賞 |
2013年 | 日本土壌肥料学雑誌論文賞 |
2014年 | Poster Award of 20th World Congress of Soil Science |
2015年 | ICOBTE 2015 Fukuoka, The Poster Award |