研究所について About IER
研究所が目指すこと原発事故の経験を世界に共有し、環境放射能の実態を解明する
東京電力福島第一原子力発電所事故では、大量の放射性物質が環境中に放出されました。その結果、環境中における放射性物質の動き(動態)や、放射性物質が環境へ与える影響が社会的に大きく憂慮される事態となりました。福島大学環境放射能研究所(IER)は、「福島」という原発事故被災地において、原発事故とそれに伴う様々な問題を解決するために、2013年7月1日に設立されました。福島第一原子力発電所事故だけでなく、これまで発生した原子力発電所事故で蓄積された科学的知見を世界と共有し、長期にわたって社会的要請に応えていくことが、当研究所の責務と考えています。
私たちが取り組む研究
専門分野を横断したプロジェクト研究
森林、河川、湖沼、海洋等の環境における放射性核種の動態に関する基礎的ならびに応用的研究を行うため、5部門15分野を横断・融合して実施される6つのプロジェクトを立ち上げ研究を進めています。
他機関と連携した共同研究
筑波大学、東京海洋大学、広島大学、長崎大学、福島県立医科大学、量子化学技術研究開発機構との共同運営を行うとともに、国内外の研究機関と連携しながら、環境放射能動態に関する先端研究拠点となることを目指しています。
ごあいさつ環境研究を通じて、福島の復興を支援し、福島の経験をグローバルに活かす。
福島大学環境放射能研究所 (IER) は平成23年3月に発生した福島第一原発の事故を受け、平成25年7月に開所しました。さらに、令和元年度から認定された「放射能環境動態・影響評価ネットワーク共同研究拠点」の一翼を担っています。IERでは福島を対象とした放射能環境動態および放射線影響の分野で研究を展開するとともに国内外の研究者との共同研究や、環境放射能学専攻で大学院教育を通じた人材育成を進めてきました。
IERでは大気、陸域、水圏、海洋など地球表面の様々な区分を対象とし、水や大気の移動や生態系の生物作用による放射性物質の動態を調査しています。これによって、放射線量の変化や動植物等に含まれる放射能濃度についての研究により、環境や食品の安全性の確認、福島の長期的な復興、農林水産業の振興を目指しています。地域の環境放射能が関わる課題は新たな研究の動機にもなるため、地域の方々との情報共有を重視しています。
また、環境放射能研究は、原子力防災や災害後の対応の場面で、役立ちます。IERが中心となり、6年間にわたって実施したSATREPSチョルノービリプロジェクトの例に見られるように、国内外を問わず他所の支援が可能であり、そこにはまた新たな研究も生まれます。
人の命が、地球上の物質の流れの中で得られる大気、水、食品としての動植物に依存しているということを考えると、環境放射能動態研究がもたらす科学的知見は、人類の営みが「持続可能」であることを目指す上で鍵となり、地球環境問題の理解と解決につながります。野生動植物の放射線影響の研究についても、影響の有無を超えて生物の仕組みに迫る手がかりを与える可能性があります。
福島での原発事故後の課題解決、国内外での原子力防災活用、地球環境問題の解決等を視野に入れた研究を展開し、これらを通じ地域の振興、特色ある大学院教育を目指していきたいと考えております。今まで以上に皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い致します。
福島大学環境放射能研究所 所長
難波 謙二
これまでの歩み
- 2011年3月
東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故発生
- 2012年8月
環境放射能研究所 第一回設置準備委員会
- 2013年3月
文部科学省より国立大学改革強化推進補助金交付決定
- 2013年7月
環境放射能研究所設立
環境放射能研究所分析棟竣工- 2017年2月
環境放射能研究所本棟および試料保存棟竣工
- 2018年6月
共同利用・共同研究拠点「拠点名:放射能環境動態・影響評価ネット ワーク共同研究拠点」として認定
- 2018年8月
大学院(修士課程)設置認可
- 2019年4月
共同利用・共同研究拠点「放射能環境動態・影響評価ネットワーク共同研究拠点」活動開始 (2022年3月31日まで)
大学院 環境放射能学専攻(修士課程)設置- 2020年7月
大学院(博士後期課程)設置認可
- 2021年4月
大学院 環境放射能学専攻(博士後期課程)設置
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研究所案内動画
環境放射能研究所への寄附
福島大学環境放射能研究所では、福島に再び安心安全な環境が戻ってくることを願いながら、国内外の研究者が協力して活発な研究活動を推進し、福島及び日本そして世界に貢献する研究機関として成長できるよう、皆さまからの寄附をお願いしています。
2011年の東京電力福島第一原子力発電所、1986年のチェルノブイリ原子力発電所などの事故により放出された環境中の放射性物質の動きや環境への影響の解明は、国際社会の課題となっています。事故の経験と教訓を国際社会と共有し、長期にわたって研究していくことが、福島県に立地する本学が果たすべき責務と考えます。
現在6つのプロジェクトを立ち上げ、研究を進めています。詳しくは、写真や図表を入れ研究内容をわかり易く掲載されているパンフレットをご覧いただければ幸いです。
皆さまからのご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
寄附金のメリット:税制上の優遇措置が受けられます
- 個人の場合:寄附金控除の取り扱いができます。(所得税法第78条)
- 法人の場合:全額「損金」に算入できます。(法人税法第37条)
寄附金の手続方法
寄附金の手続き方法、必要書類等については本学「地域創造支援センター」のホームページに詳しく記載されております。ご確認いただき、お手数でも「寄附金申込書」を「環境放射能研究所事務室」まで郵送願います。受領後、納付書等を郵送いたします。
寄附実績
寄附金のお問い合わせ・郵送先
【連絡先】環境放射能研究所事務室 / TEL: 024-504-2848
【郵送先】〒960-1296 福島市金谷川1番地 福島大学環境放射能研究所事務室 宛