令和6年12月23日 第7回IERセミナーを開催しました。<石庭先生、ラハマン先生、難波所長>
日時 | 2024年12月23日(月) 13:30~15:00 | |||||
場所 | 環境放射能研究所本棟6F大会議室/オンライン(Zoom) | |||||
発表者 | 石庭寛子 特任講師 イスマイル・ラハマン 教授 難波謙二 所長 | |||||
演題 | 電子スピン共鳴法を用いた放射線汚染地域に生息する野ネズミの線量評価(石庭) チャコール-セラミック複合体を用いた放射性核種汚染水の体積削減(ラハマン) 浜通りでの実験養蜂とオオスズメバチについて(難波) |
環境放射能研究所(IER)では、所属研究者同士の交流、研究活動の推進を目的に、研究成果報告会「IERセミナー」を定期的に行っています。
12月23日(月)に開催した令和6年度の第7回IERセミナーでは、石庭寛子特任講師、イスマイル・ラハマン教授、難波所長が発表を行いました。オンライン聴講を含め研究者、大学院生ら19名が参加しました。
石庭特任講師は、歯のエナメル質に含まれる炭酸ラジカルの量から被ばく線量推定を行う電子スピン共鳴法を野生のアカネズミの歯に適用した結果について発表しました。
ラハマン教授は、学内研究プロジェクトの枠組みで行った、放射性核種汚染廃水を処理するために設計した新しい複合材料の開発と特性評価の初期段階の報告をしました。この材料は、チャコールとセラミックの特性を統合した二重構造を特徴としており、主にセシウムとストロンチウムの保持能力を評価しました。初期評価の結果、複合材料の保持性能が粉砕および洗浄処理後に大幅に改善されたことが示されました。また、処理後のサンプルの特性評価により、これらの改善が材料の形態を変えることなく生じたことが確認されました。今後の研究では、異なる条件下で複合材料の吸着挙動を最適化し、実用化の可能性を探ることが焦点となります。
難波所長は2023年に浜通りで行った実験養蜂とオオスズメバチの研究について発表しました。実験養蜂で収集したハチミツ中のCs-137面移行係数(Tag)は 3.06×10-5 m2/kgFW でした。この値は、スコットランドのツツジ科植物ギョリュウモドキの1993-1994年産ハチミツ(4.71×10-2 m2/kgFW, Fisk & Sanderson, 1999)よりも3桁低いことが示されました。また、実験養蜂場で採取されたオオスズメバチ個体のTagはミツバチよりも2桁高い値が示されたことについて発表しました。
各発表後には、IER教授陣と院生から様々な質問やコメントが挙がりました。





