令和6年10月28日  第5回IERセミナーを開催しました。<大学院生、脇山准教授、塚田教授>

日時2024年10月28日(月) 13:30~15:20
場所環境放射能研究所本棟6F大会議室/オンライン(Zoom)
発表者黒澤 萌香(共生システム理工学研究科 環境放射能学専攻 博士後期課程3年)
脇山義史 准教授
塚田祥文 教授
演題福島第一原子力発電所事故により汚染されたため池における137Cs動態に関する研究(黒澤)
阿武隈川と請戸川における出水時のセシウム137動態の比較(脇山)
大柿ダムで採取した堆積物からの137Cs放出に関する温度依存性(塚田)

環境放射能研究所(IER)では、所属研究者同士の交流、研究活動の推進を目的に、研究成果報告会「IERセミナー」を定期的に行っています。

10月28日(月)に開催した令和6年度の第5回IERセミナーでは、環境放射能学専攻 博士後期課程3年生1名、脇山義史准教授、塚田祥文教授が発表を行いました。オンライン聴講を含め研究者、大学院生ら21名が参加しました。

脇山研究室の黒澤さんは、都市域ため池の除染後の137Cs動態について発表しました。2017年に底質除去による除染が行われたため池において、除染前の2015年と除染後の2018 – 2022年に、底質、池水、流入水、流出水を採取し、137Cs濃度等を測定しました。除染による137Cs動態への影響、除染後の長期的な137Cs蓄積プロセス、都市がため池におよぼす影響について発表しました。

脇山准教授は、「阿武隈川と請戸川における出水時の137Cs動態の比較」について発表しました。2つの河川水系において、大きな雨が降った後に河川とその河口付近の海浜で採取した水試料の分析結果をもとに、河川での137Csの濃度変化や流出量、沿岸海域への影響について発表しました。

塚田教授は、大柿ダムで採取した堆積物からの137Cs放出に関する温度依存性について発表しました。

堆積物を密閉し5、10、20および30℃で5~100日間放置し、堆積物から溶出する137Csを調べた結果、温度が高く、放置時間の長い方が溶出率は高くなりました。その主な要因はアンモニウム濃度の増加ですが、他の要因も関与しており、アレニウスの式に従うことが発表されました。

各発表後には、IER教授陣と院生から様々な質問やコメントが挙がりました。

研究発表をする黒澤さん
脇山准教授が発表している様子
塚田教授が発表している様子
質疑応答の様子