令和5年10月30日  第5回IERセミナーを開催しました。<脇山准教授、平尾准教授、和田准教授>

日時2023年10月30日(月) 13:30~15:00
場所環境放射能研究所本棟6F大会議室/オンライン(Zoom)
発表者脇山義史 准教授
平尾茂一 准教授
和田敏裕 准教授
(発表順)
演題・阿武隈川における増水時のヨウ素129の動態について(脇山)
・福島原発周辺の環境中トリチウムの変動(平尾)
・帰還困難区域に生息する魚類のダムと河川における放射性セシウム取込経路の違い(和田)

環境放射能研究所(IER)では、所属研究者同士の交流、研究活動の推進を目的に、研究成果報告会「IERセミナー」を定期的に行っています。

10月30日(月)に開催した令和5年度の第5回IERセミナーでは、脇山義史准教授、平尾茂一准教授、和田敏裕准教授が発表を行いました。オンライン聴講を含め研究者、大学院生ら24名が参加しました。

脇山准教授は、「阿武隈川における増水時のヨウ素129の動態について」の発表をしました。ヨウ素129は福島原発事故によって放出された核種の一つですが、河川における動態についての研究が多くありませんでした。本発表では、共同研究の結果に基づいて、阿武隈川中流地点における増水時の懸濁態・溶存態ヨウ素129濃度の時間変化およびフラックスについて説明しました。

平尾准教授は、「福島原発周辺の環境中トリチウムの変動」について発表しました。大気水蒸気中トリチウム、植物中の組織自由水中トリチウム、および有機結合型トリチウムの濃度を測定し、陸域での空間分布と時間変化の特徴を明らかにした結果を説明しました。

和田准教授は、「帰還困難区域に生息する魚類のダムと河川における放射性セシウム取込経路の違い」について発表しました。夏季のヤマメの胃内容物分析や安定同位体比分析の結果から、渓流域では森林生態系から供給される陸生昆虫が、ダムでは水域内の食物連鎖を介した生物濃縮が、魚類のセシウム濃度に影響を及ぼしていることを説明しました。

各発表後には、IER教授陣やIERに来訪中のフランス人研究者達から、様々な質問やコメントが挙がりました。

脇山准教授が発表している様子
平尾准教授が発表している様子
和田准教授が発表している様子