令和3年8月6日 IER特別セミナー (オンライン)を開催しました。<ウラジーミル・ペトロフ博士>
日時
2021年8月6日(金)午後2:40 – 4:10
場所
オンライン(Zoom)
外部講師
ウラジーミル・ペトロフ博士
ロモノーソフモスクワ国立大学化学部
タイトル
Effects of long-term chronic exposure to radionuclides in plant populations
環境放射能専攻博士前期課程の授業の一部講義では、著名な研究者を講師として招き、その講義を「特別セミナー」として学内の教員等にも公開しています。
8月6日、ウラジーミル・ペトロフ教授による「放射能災害学」をテーマとした講義には、環境放射能学専攻博士前期課程の学生3名と、IER、福島大学、静岡大学、モスクワ国立大学(MSU)の研究者数名が参加しました。ペトロフ教授は、モスクワ大学化学部の放射線化学研究部門の歴史や、 核災害研究の主なアプローチと成果について説明したあと、1957年の生産合同マヤック(PA Mayak)での原子力事故(キシュティム事故)、1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故、1993年のトムスク再処理施設での事故について詳細な解説を行いました。中でも、環境中の起源の異なるホットパーティクルの発生源とその挙動に大きな関心が寄せられました。 さらに、チェルノブイリの「Lava(溶岩状燃料)」について、溶融状態から固化する核燃料の特性に関するユニークなデータと、その調査のアプローチについて説明し、オートラジオグラフィー、電子顕微鏡、X線技術、ラマン散乱など、材料やサンプルの核災害研究を行うための基本的な分析方法を紹介しました。質疑応答では、学生や他の参加者から多数の質問が寄せられ、旧ソ連での原子力災害後に得られた経験や知見が、福島における緊急対応や環境修復戦略にどのように関連しているかについて議論が交わされました。