令和3年11月11日 駐日ウクライナ特命全権大使セルギー・コルスンスキー閣下が来所しました。
令和3年11月11日、駐日ウクライナ大使館から特命全権大使セルギー・コルスンスキー閣下とインナ・イリナ三等書記官が来所されました。コルスンスキー大使は、エネルギーはじめ幅広い分野、とりわけ地政学的問題の専門家で、かつての同僚マーク・ジェレズニヤクIER特任教授の紹介で2016年に無任所大使(Ambassador at large)として、IERを訪れたことがあります。今回は、三浦学長を表敬訪問し、その後IERでSATREPSチェルノブイリプロジェクトメンバーと意見交換を行いました。
三浦学長とはウクライナ国と福島大学との協力等について対談を行いました。学長は、ウクライナが、福島第一原発事故当時、放射線専門家がいなかった福島大学からの調査団を2011年に受け入れたこと、また、専門家を福島に派遣してくださったことに感謝の意を伝えました。大使は、福島とチェルノブイリの原発事故は大変悲劇的であったが、ウクライナ政府は、事故の経験に基づいた適切な取り組みが今後の危機対策に向けて貴重な知見となるという考えのもと、SATREPSチェルノブイリプロジェクトを軸とした福島大学とウクライナの各機関との共同研究を支援してきていると話し、今後も継続する意向を示されました。さらに両国の芸術や文化についても話題がおよび、学長は、災害後の子供たちの教育に取り組む中で、復興過程における芸術の大きな役割を実感した自身の経験を紹介し、芸術がもたらす心の通い合いが希望につながるという理解を大使と共有しました。そして、ウクライナと福島大学との間で、芸術や芸術にまつわる人文的研究分野で新たな学術交流を模索することになりました。
続いてIERでは、現在、ウクライナで実施中のSATREPSチェルノブイリプロジェクトメンバーと意見交換を行いました。プロジェクトの現況と今後の展開について難波所長が紹介すると、大使からは、IERの研究活動やSATREPSチェルノブイリプロジェクトは、ウクライナと日本だけでなく、全世界にとって非常に重要な取り組みであるとの励ましの言葉をいただきました。そして、カーボンニュートラルを目指すこの時代のエネルギーに関する世界の動向を把握、分析すること、それらを視野に入れた取り組みが必要であると指摘されました。メンバー全員が、現プロジェクトの完了はもちろん、次プロジェクト構想に向けて建設的な取り組みを継続すること再確認し、大使の熱心なアドバイスと全面的な協力姿勢に感謝を伝えました。