令和3年12月20日 IER特別セミナー (オンライン)を開催しました。<ロマンチュック博士>

日時

2021年12月20日(月)午後2:40 – 4:10

場所

オンライン (Zoom)

外部講師

アンナ・ロマンチュック博士、ロモノーソフモスクワ国立大学化学部

タイトル

Processes to be considered in modelling of radionuclides migration

環境放射能専攻博士前期課程の授業の一部講義では、著名な研究者を講師として招き、その講義を「特別セミナー」として学内の教員等にも公開しています。

12月20日、アンナ・ロマンチュック教授による「環境放射能学Ⅱ」の講義には、IER大学院修士課程学生3名、博士課程学生1名、IER研究者数名が参加しました。

ロマンチュック教授は、環境中のアクチノイドの動態と移動に関する物理化学的プロセス(吸着・脱着、錯形成、酸化還元、溶解・沈殿など)について説明しました。アクチノイドは環境中で溶解度や移行性の異なる複数の酸化状態で存在する可能性があり、環境中の挙動を正確にモデル化することは容易ではありません。ロマンチュック教授は、アクチノイドとハロゲン化物、炭酸塩、天然有機物との錯形成反応など、加水分解過程について詳しく解説しました。また、環境中のアクチノイドの固液分布を特定し、モデル化するためのアプローチについて、特に環境中のPu同位体の挙動に焦点を当てながら説明しました。環境中のアクチノイドの挙動とそのモデル化に関する事例として、ロッキーフラッツ工場汚染地域(米国)、ネバダ核実験場(米国)、マヤック再処理工場(ロシア)、セラフィールド再処理工場(英国)、チェルノブイリ原発汚染地域と「赤い森」(ウクライナ)が紹介されました。講義後には、学生や研究者から様々な質問が出され、有意義な議論が行われました。