令和4年5月24日 IER特別セミナー (オンライン)を開催しました。<ジョンソン博士>
日時
2022年5月24日(火)午前10:20 – 11:50
場所
オンライン (Zoom)
外部講師
トーマス・ジョンソン 博士、コロラド州立大学教授
タイトル
Biological Effects of Radiation on Animals
環境放射能学専攻博士前期課程の一部授業では、著名な研究者を講師として招き、その授業を「特別セミナー」として学内の教員にも公開しています。
5月24日に開催されたトーマス・ジョンソン教授による「放射影響学」のオンライン講義には、環境放射能学専攻の修士課程の学生5名と博士課程の学生2名、IERのメンバー数名が参加しました。
この講義でジョンソン教授は、チェルノブイリの事例も含め、放射線の動物への影響に関する公表データを総括し、国際放射線防護委員会(ICRP)が公表している標準動植物(RAPs)や誘導考慮参考レベル(DCRL)など、環境の放射線防護に適用される基本的な概念について議論しました。ジョンソン教授は、生物相の線量測定法のさらなる改善と、関連する生態学的構成要素の特定が必要であることを示し、講義を締めくくりました。質疑応答では、動物が放射性核種を摂取・排出する際の内部被ばくの時間的な変化について議論が交されるとともに、生態系への影響を示すRAPs概念について、イエローストーン国立公園の生態系の変化や、放射線あるいは人為的な影響による生態系からの種の排除を例として(チョルノブイリのレッドフォレスト、アメリカハンフォードサイトの除染地域など)、種間関係を考慮することの妥当性について議論が行われました。 <6月29日のセミナー記事はこちら>