令和4年10月17日 IER特別セミナー (オンライン)を開催しました。 <シュタインハウザー 博士>

日時

2022年10月17日(月)午前16:00 – 17:30

場所

オンライン(Zoom)

外部講師

ゲオルグ シュタインハウザー 博士、ウィーン工科大学原子力研究所

タイトル

Tracing anthropogenic radionuclides in the atmosphere

環境放射能学専攻博士前期課程の一部授業では、著名な研究者を講師として招き、その授業を「特別セミナー」として学内の教員にも公開しています。

10月17日(月)に開催したゲオルグ・シュタインハウザー博士による「環境放射能学Ⅱ」のオンライン講義には、環境放射能学専攻博士前期課程5名、博士後期課程大学院生、IERメンバー、福島大学他学類の学生・研究者を含む40名以上が参加しました。この講義でシュタインハウザー博士は、世界各地の原子力事故が大気中における人工放射性核種のグローバルモニタリングよって追跡できること(例えば、チョルノービリ事故はスウェーデンで大気放出が発見されて初めてソビエト連邦が公表した)、2017年に欧州モニタリングステーションネットワークで検出された未申告の106Ru(放射性ルテニウム)の大気中放出に関する調査を例に、核鑑識の進歩について話しました。また、放出された放射性ルテニウムと安定ルテニウム同位体の濃度比とその化学種組成から、放出源(ロシア、マヤーク核施設)の推定と発生シナリオの把握が可能になったことを説明しました。質疑応答では、ローカルおよびグローバルな原子力事象を検知するモニタリングネットワークのさらなる発展の見通し、大気放出量を追跡するための空中調査、衛星原子力施設での空中事故、有機および無機ヨウ素を含む空中放射性核種の化学形態の説明の必要性、放射性物質放出調査における情報公開と国際協力について議論しました。