令和4年10月29日-30日 環境放射能学セミナー in浜通りを開催しました。

10月29日(土)、30日(日)の2日間にわたり、「環境放射能学セミナー in 浜通り」と題した特別セミナーを福島県双葉町、大熊町、富岡町で開催しました。これは、(公財)福島イノベーション・コースト構想推進機構が実施する「大学等の「復興知」を活用した人材育成基盤構築事業」の一環として実施したものです。IERは、長崎大学による採択事業「災害・被ばく医療科学分野の人材育成による知の交流拠点構築事業」に共同申請校として参画しています。セミナーには、福島大学および福島工業高等専門学校から24名の学生が参加しました。

1日目は、双葉町にある東日本大震災・原子力災害伝承館での座学から始まりました。IERの教授陣4名が原発事故による環境影響について講義したほか、伝承館語り部による講和も行われました。

午後は伝承館の展示施設を見学した後、双葉駅周辺や中間貯蔵工事情報センターを見学。住民の帰還が始まったばかりの双葉町の取り組みや、除染活動により発生した除去土壌の処理について参加学生から多くの質問が挙がりました。

双葉町役場の橋本様に双葉町の取り組みについて紹介いただきました。
中間貯蔵工事情報センターの見学
「ゼロカーボンタウン」を目指す大熊町も視察

2日目午前は東京電力廃炉資料館ととみおかアーカイブ・ミュージアムを見学し、午後は理系大学院生による研究発表およびグループディスカッションが行われました。今回、学生の皆さんには文系理系を問わず参加いただきました。そのため参加者からは、ディスカッションを通して様々な考え方や放射能に対する認識の違いなどを知ることができたといった感想が聞かれました。

廃炉資料館の見学
とみおかアーカイブ・ミュージアムの見学
理系大学院生による研究発表。
文系学生からも、多くの質問が飛び出しました。
グループディスカッション後の発表の様子

IERでは今後も、原発事故被災地域の現状を直接見聞きする機会を学生に提供し、浜通り地域の復興に貢献する人材育成に携わりたいと考えています。