令和5年11月13日(月)浪江町にて第19回研究活動懇談会を開催しました。
日時 | 令和5年11月13日(月)13:15~16:30 |
場所 | 道の駅なみえ 大会議室 |
演題 | 1.ミツバチ調査報告:浪江町帰還困難区域でのミツバチ飼育2023年(難波謙二:福島大学環境放射能研究所 所長/共生システム理工学類 教授) 2.森林調査報告:森林の放射能汚染の現状(ヴァシル・ヨシェンコ:福島大学環境放射能研究所 教授) 3.森林生態系調査報告:森林生態系内の放射性セシウムの動態と河川への流出(大手信人:京都大学大学院情報学研究科 教授) 4.内水面漁場調査報告:内水面魚類の放射性Cs濃度-現状と将来のために-(川田暁:福島県内水面水産試験場 場長) 5.淡水魚調査報告:請戸川水系に生息する淡水魚の放射性セシウム濃度の現状~水域、魚種別の汚染メカニズムに迫る~(和田敏裕:福島大学環境放射能研究所 准教授) 6.自家消費野菜調査報告:避難指示が解除された浪江町における自家消費作物の放射性セシウム濃度と内部被ばく線量(菊池美保子:株式会社環境分析研究所 代表取締役社長) |
IERでは研究成果を地域に還元するため、2016年から研究活動懇談会を毎年数回開催しています。第19回目となる今回は「浪江町における環境放射能調査報告~現状と残された課題~」をテーマに開催し、行政機関や地元住民の方々など県内外から44名にご参加いただきました。
今回の懇談会は、IERや関係機関が浪江町や周辺市町村で行ってきた放射能調査の成果を、行政機関や調査関係者、地元住民の皆様にわかりやすくお伝えすることを目的として企画されました。
IER所属研究者のほか、森林水文学などの観点から事故後の森林生態系内の放射性セシウムの動態や影響について調査してきた研究者、県内の河川・湖沼の魚類に関する調査・研究を行っている専門家、自家消費作物中の放射性セシウム濃度や内部被ばく線量を調査している専門家が集結し、これまでの研究結果や今後の取り組みについて発表しました。 発表後の意見交換では、地元住民の方々からのご意見や質問に対して専門家が見解をお伝えしました。
参加者からは、「137Csの循環に関して特に勉強になった」「食べ物について安心できる話が聞けた」「帰還困難区域解除に向けてどのような放射能調査が行われているかがわかり、今後の調査結果が楽しみ」、「今日の結果が今後の森林除染に反映されることを願う」「メカニズムと現状の把握だけでなく、対策や予測に役立つ方向性を示して欲しい」「研究所、行政、地域住民が共に地域づくりに貢献して欲しい」などの声が寄せられました。