第8回成果報告会
日時
令和4年2月28日(月)13:00-17:40 専門家向け口頭発表
令和4年3月 1日(火)13:00-17:00 市民向けシンポジウム
専門家向けポスター発表は令和4年2月28日から令和4年3月31日までオンラインで資料公開
テーマ
福島原発事故後の環境放射能 ~研究成果から見える将来~
各発表・講演の要旨集を下記よりダウンロードいただけます
IERでは、研究成果を市民や専門家に報告し意見交換を行う場として、毎年成果報告会を開催しています。8回目となる今回は、テーマを「福島原発事故後の環境放射能~研究成果から見える将来~」とし、2月28日、3月1日に開催しました。当初は対面とオンラインでのハイブリッド開催を予定していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によりオンライン開催に変更しました。多くの参加申込みをいただき、専門家向け口頭発表と市民向けシンポジウムにはあわせてのべ約220名の皆様にご参加いただきました。
時間 | プログラム・講演タイトル | 講演者 | 所属 |
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13:00-13:05 | 開会挨拶 | 難波 謙二 | 環境放射能研究所 所長 / 福島大学共生システム理工学類 教授 |
13:05-13:35 | 1960年代以降および将来の、大気圏内核実験および他の発生源から放出されたセシウム137とトリチウムの北太平洋と日本海における長期挙動 | 青山 道夫 | 筑波大学アイソトープ環境動態研究センター 環境放射能研究所 客員教授 |
13:35-14:05 | 北太平洋亜寒帯循環流に沿った福島第一原発事故起源放射性セシウムの回帰 | 熊本 雄一郎 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
14:05-14:35 | 海洋由来と陸域由来の放射性セシウム粒子の比較 | 三浦 輝 | 電力中央研究所 |
14:35-14:45 | 休憩 | ||
14:45-15:15 | 浜通り地域3流域における出水イベント時の河川137Cs動態の比較 | 脇山 義史 | 環境放射能研究所 准教授 |
15:15-15:45 | Long-term trends in radiocesium dynamics in Fukushima forests | ヴァシル・ヨシェンコ | 環境放射能研究所 教授 |
15:45-16:15 | 土壌中に存在する放射性セシウムを不動化した粒子の特徴 | 山口 紀子 | 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 農業環境研究部門 |
16:15-16:25 | 休憩 | ||
16:25-16:50 | Estimation of rooting depth of 137Cs uptake by plants | グエン・フォン・トア | 福島大学大学院共生システム理工学類 |
16:50-17:20 | Introgression of invasive pig genes into wild boar following the Fukushima events in 2011 | ドノヴァン・アンダーソン | 筑波大学 アイソトープ環境動態研究センター |
17:20-17:35 | 総合討論 | ||
17:35-17:40 | 閉会挨拶 | 高村 昇 | 環境放射能研究所 副所長 / 長崎大学 教授 |
時間 | プログラム・講演タイトル | 講演者 | 所属 |
---|---|---|---|
13:00-13:05 | 開会挨拶 | 難波 謙二 | 環境放射能研究所 所長 / 福島大学共生システム理工学類 教授 |
13:10-13:35 | 環境放射能研究の今までの知見と課題 | ||
13:35-14:05 | 福島第一原発由来廃棄物の安全な処理に向けた課題克服へのアプローチ | イスマイル・ラハマン | 環境放射能研究所 准教授 |
14:05-14:15 | 休憩 | ||
14:15-14:45 | 福島第一原発周辺ならびに日本全国の沿岸におけるトリチウムの現状 | 高田 兵衛 | 環境放射能研究所 特任准教授 |
14:45-15:15 | 福島原発事故後の河川における汚染状況の長期予測 | マーク・ジェレズニヤク | 環境放射能研究所 特任教授 |
15:15-15:25 | 休憩 | ||
15:25-15:55 | 帰還困難区域に生息する野生動物への放射線影響 | 石庭 寛子 | 環境放射能研究所 特任助教 |
15:55-16:25 | 作物中放射性Csと129I濃度、および摂取による内部被ばく線量 | 塚田 祥文 | 環境放射能研究所 教授 |
16:25-16:55 | 総合討論 | ファシリテーター:和田 敏裕 | 環境放射能研究所 准教授 |
16:55-17:00 | 閉会挨拶 | アレクセイ・コノプリョフ | 環境放射能研究所 副所長 / 特任教授 |
専門家向け口頭発表は英語ですべての講演が行われました。質疑応答では特に三浦氏や山口氏の発表に関連してCsMP(高濃度放射性セシウム含有微粒子)に関する質問が飛び交い、研究者間で熱い議論が交わされました。
2日目の市民向けシンポジウムでもテーマにちなんでIER所属の教員6名が原発事故後の研究で明らかになった研究成果を発表しました。参加者からは、「分析するサンプル数が限られることについてどう考えるか」「事故で放出された放射性物質による野生動物への影響は今はないのか」といった質問が挙げられました。オンラインではトリチウムに関する多くの質問をいただき、福島第一原発からのアルプス処理水放出に対する関心の高さがうかがわれました。最後の総合討論では全発表者が今後の課題等について意見を述べました。
ポスター発表は特設サイト上に32件のポスターとその解説音声が公開され、申込みをされた方が2022年3月31日まで閲覧できるようになっています。来年度の成果報告会はぜひ対面で開催し、参加者同士が直接意見交換できる場を提供したいと考えています。
たくさんの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。