令和5年1月26日 IER特別セミナー (オンライン)を開催しました。<レブチュック博士>

日時

2023年1月26日(木)17:00 – 18:50

場所

オンライン(Zoom)

外部講師

スヴャトスラフ・レブチュック博士、ウクライナ国立生命環境科学大学 ウクライナ農業放射線研究所 主任研究員

タイトル

Terrestrial radioecology studies in Chornobyl

環境放射能学専攻博士前期課程の一部授業では、著名な研究者を講師として招き、その授業を「特別セミナー」として学内の教員にも公開しています。

1月26日に開催されたスヴャトスラフ・レブチュック博士による「陸域放射生態学」のオンライン講義には、環境放射能学専攻の修士・博士課程の学生をはじめ、IERのメンバーや客員研究員などが参加しました。 講義で、レブチュック博士は、チョルノービリ原発事故後の立ち入り禁止区域における陸上生態系の長期的な放射生態学的研究について、土壌中の放射性核種の地球化学的および生物学的移行に焦点を当てながら、説明しました。137Cs、90Sr、Pu同位体、ClとIの放射性同位体などの移行に関する膨大な実証データを示し、元素の特性や、土壌条件(pH、有機物含有量、湿度物理形態など)から明らかにされた規則性を説明しました。また、土壌サンプリングへの必要条件が議論され、代表的かつ正確なサンプリングの実施方法について、実践的なアドバイスがありました。質疑応答では、不飽和土壌帯から帯水層への放射性核種の移行に関する問題、チョルノービリと福島における異なる土壌条件での放射性核種の分配係数、放射性核種の移行のモデル化、チョルノービリの研究結果の入手方法などについて、活発な質問が出されました。