令和5年1月31日 IER特別セミナー (オンライン)を開催しました。<カシパロフ教授>
日時
2023年1月31日(火)16:00 – 18:00
場所
オンライン(Zoom)
外部講師
ヴァレリ・カシパロフ教授、ウクライナ国立生命環境科学大学 ウクライナ農業放射線研究所 所長
タイトル
Soil and plant factors affecting mobility and bioavailability of radionuclides.
Countermeasures
環境放射能学専攻博士前期課程の一部授業では、著名な研究者を講師として招き、その授業を「特別セミナー」として学内の教員にも公開しています。
1月31日に開催されたヴァレリ・カシパロフ教授による「陸域放射生態学」のオンライン講義には、環境放射能学専攻の修士・博士課程の学生をはじめ、IERのメンバーや客員研究員が参加しました。 この講義でカシパロフ教授は、異なる植物種による異なる放射性核種の葉面および根への取り込みと、土壌の種類、放射性核種の物理化学的形態、土壌中の水分、有機物、競合イオン(栄養分)の含有量などの取り込み強度を左右する要因について説明しました。また、カシパロフ教授は、各国の食品および農作物中の放射性核種の許容レベル(国家基準)を紹介し、広範囲の対策リスト(汚染土壌の除去、洗浄されている土壌の追加、浅・深耕、土壌の除去と埋め戻し、肥料、石灰化、プルシアンブルーの適用、食品の加工、動物への清浄飼料など)の適用と効率について述べ、地域の条件を考慮した費用対効果分析に基づく、対策適用の意思決定に役立つソフトウェア開発の事例も示しました。質疑応答では、移行係数の推奨値で運用した場合の放射線評価の不確かさ、プルシアンブルーの水産・畜産への適用、放射能汚染された植物製品からのエタノールやアルコール飲料の製造、食品・農作物の許容レベルの設定など、様々な質問があがりました。