令和5年1月 オランダライデン大学の研究者を受け入れました。

IERはオランダライデン大学統治国際情勢学部安全保障国際問題研究所(ISGA)との学術交流協定に基づき、令和5年1月20日から26日までの1週間、危機管理・安全管理が専門の研究者アンドレア・バートルッチ助教とジェイク・ライト助手を受け入れました。ISGAは、福島震災・原発事故を多面的に学習するために修士課程科目「ケーススタディ福島」を開講していて、昨年3月にはIERの教員2名がオンライン講義を提供しました。

上記教育プログラムの拡充版を構築するために福島の震災・津波・原発事故とその後の復興について視察することが今回の来訪目的で、震災・原発事故関連の資料館やアーカイブ施設、自治体等を訪問しました。

1月21日と22日は、公害資料館ネットワーク主催のフォーラムに参加。「ふくしまの経験を継承する」トークセッションでは経験継承に取り組む方々から震災当時の困難や未来に向けた取り組みについて話題提供がありました。翌日の浜通り見学では、常磐炭田ヘリテージ、東日本大震災・原子力災害伝承館、とみおかアーカイブミュージアム等を訪れさまざまなアーカイブ資料を直に目にすることができました。

1月23日から25日は、廃炉資料館、中間貯蔵施設、請戸小学校等々を見学。富岡町、大熊町、浪江町を訪問して「震災・事故当時の状況、避難と帰還、町の復興政策等」について各担当者から詳しく伺い、富岡町や大熊町ではまちづくりに取り組む団体から帰還や移住に向けた取り組みについてもご紹介いただきました。また、双葉町から避難し帰還を予定している方および浪江町から福島市に避難されている方を訪問し、帰還に向けた課題についてのお考えをお聞きしました。

1月26日は、オランダと古くからつながりのある郡山市を訪問、郡山市の原子力災害からの復興対策やオランダ王国との交流について説明を伺った後、ライデン大学研究者からの今後の政策に関する質問については品川市長がさまざまな事例をもとに回答くださいました。

ライデン大学のお二人は、今回の福島訪問で多くのことを直接見聞きして学べたことの収穫は大きく、教育プログラムに反映させて学生たちに伝えたいとおっしゃっていました。IERとしても、国際的な教育ネットワークやプログラムが豊富なライデン大学と今後学生交流も視野に入れて研究・教育活動において分野横断的に協力を進めて行きたいと思います。

浜通りの自治体から震災当時の状況や復興への取組について話を聞きました。(写真は大熊町)
避難されている方からも話を伺いました。
郡山市の品川市長から復興に向けた取り組みについて説明を受けました。